
競馬のスリリングな瞬間をパンニング撮影したいけど、どうすればいいのかな?
速い馬を的確に捉えて撮影したい!パンニングで撮影したい。
競馬雑誌に掲載されているような写真を撮りたい!
こんなお悩みを解決に近づけます。
逞しく美しい競走馬が競技場内を疾走する「競馬」。天皇賞などの大きなレースの前後には、テレビ番組で特集が組まれるほど人気の高い競技です。
競馬場での撮影は、スピード感あふれる馬と騎手の姿を捉える魅力的な挑戦です。特にパンニング撮影は、競走馬の迫力や動きを強調する効果的な撮影技術で、背景を流れるようにぼかしつつ、主役である馬と騎手をシャープに写すことができます。
そこで今回は、「競馬撮影におけるパンニング撮影(流し撮り)のコツ」をご紹介します。
目次
パンニング撮影の基本とは?
パンニング撮影は、動いている被写体を追いかけるようにカメラを動かしながらシャッターを切る撮影方法です。競馬では、速く走る馬と騎手を追いかけるために、スムーズな動きと適切な設定が求められます。この技術によって、以下のような写真効果を得ることができます。
- スピード感の演出:背景が流れるようにぼけることで、被写体のスピードが強調されます。
- 動きの躍動感:馬の筋肉の動きやたてがみ、騎手の集中した姿勢が際立ちます。

機材と準備
競馬場でのパンニング撮影を成功させるためには、適切な機材選びと準備が重要です。
カメラとレンズ
- カメラ:高速連写と優れたAF性能を持つカメラが理想的です。たとえば、Canon EOS R3のようなミラーレスカメラは、追尾性能と操作性が優れており、競馬撮影に最適です。
- レンズ:望遠ズームレンズ(例:70-200mm f/2.8)が特におすすめです。競馬場の観客席や柵の外側から撮影する場合でも、被写体をしっかり捉えられます。
- メモリーカード:競馬撮影では連写を多用するため、高速書き込みが可能なメモリーカードを用意しましょう。
一脚の活用
手ブレを軽減するために、安定した一脚を使用するのがおすすめです。一脚は機動性を損なわずに、安定したパンニング撮影を可能にします。
競馬場での設定と環境準備
シャッター速度の選定
シャッター速度は、背景の流れ方と被写体のシャープさに大きな影響を与えます。競馬では、馬のスピードや距離に応じて設定を調整します。
- 基本の目安:1/60秒~1/250秒
- 被写体が近い場合や速い動きを表現したい場合は1/60秒程度。
- 被写体が遠い場合や背景を適度にぼかしたい場合は1/125秒~1/250秒程度。
ISO感度と絞り
- ISO感度:競馬場の天候や時間帯によって設定を調整します。曇りの日や夕方はISOを400~800に設定してシャッター速度を確保します。
- 絞り(F値):背景のボケ具合を調整するために、F4~F8程度がおすすめです。
オートフォーカス(AF)設定
- AFモード:動く被写体を追尾するために、AIサーボ(Canon)やコンティニュアスAF(他メーカー)を使用します。
- フォーカスポイント:中央重点またはゾーンAFを選択し、被写体がフレーム内で動いても追尾できるようにします。
撮影の実践テクニック
スムーズなカメラの動き
パンニング撮影では、被写体に合わせてカメラをスムーズに動かすことが大切です。競馬では、以下のステップを意識しましょう。
- 被写体を見つける
望遠レンズを使うと視野が狭くなるため、被写体がフレームに入る前に目視で位置を把握します。 - カメラの動きを開始する
被写体がフレームに入る前からカメラを動かし始め、一定の速度で追尾します。 - シャッターを切る
被写体がフレーム内で良い位置に来たらシャッターを押します。連写モードを活用して複数枚撮影することで、成功する確率を高めます。 - 追尾を続ける
シャッターを切った後も、カメラを動かし続けることで、自然なパンニング効果が得られます。
被写体を画面中央に配置する
被写体を中央に置くことで、AFが正確に動作しやすくなります。撮影後にトリミングを行うことを前提に、構図にこだわりすぎず撮影するのも一つの手です。
より良いパンニング写真を撮るための練習方法
パンニング撮影は経験が重要です。競馬撮影を想定した練習方法をいくつかご紹介します。
- 車や自転車を撮影する
競馬場以外での練習として、道路を走る車や自転車を撮影すると、スピード感をつかむ練習になります。 - シャッター速度を変えて試す
シャッター速度を変えながら撮影し、どの設定が最も効果的かを確認します。 - 連写枚数を増やす
練習時にはできるだけ多くの写真を撮影し、失敗と成功のパターンを分析します。
競馬撮影ならではのポイント
競馬場でのポジション取り
良い写真を撮るには、競馬場での立ち位置が重要です。
- 第3コーナーやゴール前が狙い目
第3コーナーでは馬が方向を変えるため、ダイナミックな写真が撮れます。ゴール前はスピードと緊張感がピークに達する瞬間を捉えられます。
レースの流れを理解する
競馬の展開や騎手の動きを理解しておくと、より効果的なタイミングでシャッターを切れます。
注意点
天候と光の変化への対応
競馬場は屋外撮影が中心のため、天候や時間帯による光の変化に注意が必要です。曇りの日はISO感度を上げ、逆光の場合は被写体に露出を合わせる設定が有効です。
機材の保護
競馬場では砂や泥が飛ぶ可能性があるため、レンズフィルターや防塵防滴仕様の機材を使用し、適切に保護しましょう。
撮影後の編集
パンニング撮影では、撮影後の編集も重要です。
- トリミング:構図を調整し、被写体をより際立たせます。
- 色調補正:被写体の毛並みや背景のコントラストを強調します。
まとめ
競馬撮影におけるパンニング撮影は、動きのあるシーンをドラマチックに演出できる魅力的な撮影方法です。機材選び、設定、練習、そして現場での工夫を組み合わせて、自分だけの躍動感あふれる写真を撮影してみてください。競馬場で撮影した一枚一枚が、観る人にスピード感と感動を伝える素晴らしい作品になるはずです!